バナナダイエットのはやりがはるか昔にあったと思えるほど、ダイエットというのはごく日常的な話題だ。ロシアでも、ある統計では、実に52%もの女性が自分の体重に不満を持っているという。こちらでも多くの女性がダイエットに精を出しているようだ。女性向けの雑誌を見てみると、ティーン向け、成人向けに限らず、必ずダイエット関連の記事か情報が載っているし、テレビでもダイエットを取り扱った番組をよく目にする。
ロシアで普及している民間ダイエット法は無数にあるが、その中で代表的なのは「そば式(ソバの実とケフィールという乳酸菌飲料だけを取る)」、「クレムリン式(あらゆる食品中の炭水化物の量を単位化して制限する)」、「日本式(コメやすしなど日本食によるものではなく、炭水化物の摂取を極端に少なくする)」などだ。
弊社ウラジオ事務所の女性スタッフも、フィットネスクラブ通いと食事制限によるダイエットを1年以上も続けている。今ではその効果が目に見えるほどにやせてきており、その意志の強さに感心するばかりだ。
最近、彼女と昼食を共にする機会があり、食事を用意してもらった。出てきたのは、茶わんに軽く盛った程度の白米とキュウリのピクルス、そしてしょうゆだけ。「おいしいのよ」と、彼女はしょうゆだけをかけた飯を食べ始めた。ダイエットに真剣に取り組んでいるのに水を差すのもいけないので、私も倣ってピクルスをおかずにしょうゆご飯を食べたのだが、これほどの粗食は久しぶりで、全然量が足りない。私自身もダイエットをしなければならないような体だが、昼食が終わるやいなや近くの食堂に早い夕食を取りに向かったのは言うまでもない。
2009/05/19 JSN 黒須 将道
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2009年5月19日掲載の記事を転載したものです。