香水、目薬、時計。これらは出張のたびに、ウラジオストクのロシア人から買ってきて欲しいと頼まれる上位の品である。香水は、欧米ブランドのもので、日本製ではない。不思議に思って、依頼者に尋ねてみると、「ロシアでは偽物が多いし、値段も高いので、日本で買う方がお得だから」という。
次に目薬。ロシアの目薬を使ったことがないので、私自身、その差は分からないが、日本の目薬は特に効果が高いらしい。ちなみに、ロシア製の薬は驚くほど値段が安い。頭痛薬が１回分１０円もしないし、バラで買える。私には良く効くので、ちょくちょく購入するが、買うときはいつも、もうちょっと値段が高いほうが安心できるのにと思う。
時計はもちろん、日本の有名ブランドのもの。日本の時計の評価は、ロシアでも折り紙つき。ちなみに、弊社の代表がつけているロシア製の時計は、ある取引先からプレゼントされた高級品だが、毎朝、時間を合わせないと待ち合わせに遅れたり、早く着きすぎたりするらしい。
いつも感心するのは、ロシア人、特にウラジオの人は、日本のことを良く知っていることだ。一昔前までは、新潟をはじめとする日本海側の港を訪れた船員たちが、日本製品のよさを口コミで伝えていたが、最近では、インターネットから情報を仕入れている。香水や時計など高価なものを頼まれる際には、ネットショップのサイトのリンクまで送ってくれる。
確かな需要はあるので、日本からの品を転売して大もうけしてみたいものだが、それはロシアの税関が許してくれない。物を送ろうにも通関時に厳しくチェックされるからだ。楽しては稼げないものである。
2009/04/14 JSN 浜野 剛
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2009年4月14日掲載の記事を転載したものです。
