最近、ロシアのあらゆる種類のメディアで、株に関する話題を目にすることが多くなった。一昔前までは、外貨、主に米ドルのたんす預金をすることが一般的だった。ところがここ数年は、ロシアの通貨ルーブルが主要通貨に対して上げ続けていることもあり、たんす預金の代わりに、株や「投資信託」などの金融商品を買う人が増えているようだ。ロシアの主要紙でさえ、「米ドルを持っていても、資産が目減りするだけだ」と扇動的な記事を載せているほどである。
ウラジオストクでは先月、アジア太平洋銀行間取引所(ATMVB)が発展的に解消され、「モスクワ銀行間通貨取引所(MICEX)」の地域取引所「MICEX−極東」が開設された。
MICEXは、為替や債権だけでなく、株の取引も行っており、現在、ロシア最大の証券市場である。MICEX−極東では、地元企業を中心とした株取引が行われるが、前身に当たるATMVBの今年1月〜3月の売買取引高は、前年比5.6倍の907億ルーブル(約4081億円)と驚異的な伸びを記録した。MICEXの地域市場として認知度が高まれば、取引がさらに活発になる可能性も秘めている。
今では、日本語でもロシアの株式情報を集められるし、日本から証券会社を通してロシア株を買うこともできる。
ロシア市場は一般の投資家が簡単に儲けられるほど甘くはないだろうが、日本でもロシアに対する関心が高まる良いきっかけになると思う。
個人的にも少しくらいロシア株を買って、どんなものか試してみたいと思うが、ただ残念なことに、先立つものがないので、ずいぶん先のことになりそうである。
2007/05/25 JSN 浜野 剛
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2007年5月29日掲載の記事を転載したものです。