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ウラジオ短信

RORO船が新潟・ウラジオ間就航

最近、新潟東港からウラジオ港およびナホトカ港間をRORO船(中古車運搬船)が定期運航を開始した。

この明るいニュースは、日報の紙面にも大きく紹介されていたので知っている読者も多いと思う。既に太平洋側の港からはRORO船がウラジオ港との間を定期運航しており、富山も貨客船が運航して中古車や中古建機などを運んでいる。新潟からも中古車の輸出が多かったのに、このような定期船がなかったことが不思議である。

しかし、その直後の10月5日から日本製中古車の「関税値上げ」のニュースがロシア連邦税関局から突如出た。これは、日本製中古車の通関価格の算定に新方式を導入するというもの。

この価格算定方式では車種、使用変更、エンジン形式、エンジン排気量、ボディ・タイプ及び製造年に従って全国一律の通関価格となる。今までの輸入者によるダンピングした価格での輸入申告を認めない措置である。

しかし、この新方式の導入が最初は日本の三菱とトヨタ車のみ施行されるというので、現地での反発は大きく混乱が生じた。ウラジオの中古車販売業者は、ロシアへ進出して新車を販売する日本メーカーが圧力をかけたのでないか、という意見も聞かれた。これに対して連邦税関局の広報官は、「新規則の目標は、中古車輸入に秩序をもたらし、中古車通関価格をきちんとチェックすすることにある」と、ロシア新聞社の取材にコメントしている。ただし、新規則施行の広報活動の手落ちは認めた。

ウラジオの地理的な条件から、中古車販売およびその周辺の仕事に従事している人間が実に多い。市民の半数近くが何らかの中古車販売に関係しているように思える。この手の中古車関連のニュースは、他の都市では問題として浮上しないが、ウラジオでは死活問題として大きなニュースとなる。

2005/10/15 JSN 田代雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2005年10月掲載の記事を転載したものです。

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