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ウラジオ短信

新潟経済同友会がパイプライン建設予定地を視察

今月初め、新潟経済同友会のロシア極東視察団(佐藤功団長)総勢28人の皆さんとウラジオ・ハバ4泊5日の視察に同行させていただいた。

ウラジオでは、今、日本の対応が迫られている「東シベリア−太平洋石油輸送パイプライン」の日本側への出口となる「ペレボズナヤ湾」の視察も行った。

ウラジオからペレボズナヤ湾まで直線距離にして約30`の対岸だが、陸路で行くと大きく迂回して片道3〜4時間かかる行程。このコースを選択したのは9名の企業を代表する皆さん。旅は困難が多ければ多いほど心に残り、私には今回の視察の中で一番の楽しい思い出となった。

行きは、夕方ウラジオからフェリーで対岸のスラビヤンカ港まで3時間の船旅。同会事務局の皆さんの手配で日本から飲み物とつまみが用意され、船中では隣に座ったロシア人との交流の場となり、日ロ親善の役割をはたした。

また、翌日のウラジオまでの帰路は、昼食を食べられずに皆さんの持っている食料(つまみ)をわけて空腹をしのいだり、一人一人が出身地や仕事など、思い思いの自己紹介をしてこれも大いに盛り上がり楽しい思い出です。

この現地視察には、沿海地方行政の石油・ガス建設責任者のシモネンコ氏がわざわざ現場まで同行し、現地では雨の中、この計画概要についての説明をしていただき、沿海地方行政府及びシモネンコ氏らがこのプロジェクトにかける意気込みを感じた。しかし、ロシア政府はつい最近、このパイプライン計画を中国ルートを優先する方針を示唆している。

今は何もないペレボズナヤ湾に石油輸送パイプラインが建設され石油精製工場ができたら、新潟とロシア極東の経済交流はどんな発展をするのだろうか。計画が進んだ暁には、また皆さんと尋ねてみたいと思い雨のペレボズナヤを後にした。

2005/07/23 JSN 田代 雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2005年7月掲載の記事を転載したものです。

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