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ウラジオ短信

買物は市場からスーパーの時代へ

90年代初めの頃、ウラジオでは「キオスク」と呼ばれる1坪ほどの小さな商店が消費者の欲求を満たしていた。

また、「キタイスキー・ルィノーク(中国市場)」へ行くと安い中国製の衣類や靴、雑貨などが豊富にそろい市民のデパートとして利用されていた。

各地域毎には青空市場があり、新鮮な肉や野菜、生活用品などが安く手に入った。青空市場はウラジオ市民の台所としての役割を果たしていた。この時代は、物があれば売れた時代でもあった。

しかし、最近ではウラジオも「大型スーパー」や「ハイパー(超大型)」といった一店で全ての商品が揃い、24時間営業と便利で清潔な店に消費者が足を運ぶようになってきている。

これらの大型店は、仕事で忙しい中間所得者層以上をターゲットに品質のいい少し高めの商品を揃えて販売している。各店は、商品のブランド力とサービスの付加価値、それと食品の安全性を押し出して競争をしている。

旧ソ連時代のロシアでは、市場に提供される商品は欠乏していたから、どのような商品でも何でも売れた。現在、市場には商品があふれ所得階層に応じて店と商品を選択する時代へと入った。

商品のブランド力や店のきめ細やかなサービスが消費者の選択に大きく影響を与えている。ある日本の有名なインスタント麺メーカーの担当者が、10年前からロシアで販売している韓国製の商品にはブランド力でかなわないと肩を落としていた。

ロシア極東では、日本製品であれば売れるという時代もあったが、徐々に環境が変わり始めているように感じる。

2005/06/17 JSN 田代 雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2005年6月掲載の記事を転載したものです。

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