今年一年は、ロシア人スタッフの確保に奔走した年でした。大学で日本語を専攻した男性を数人使ってみたのですが、希望するような人材に会うことが出来ませんでした。
日本語を専攻した人たちは、みな非常に優秀です。しかし、何か違うのです。ある人は、働いて1ヶ月も経たないのに、急に病気になったので明日から1週間入院すると言って休む。昨日まで元気に仕事をしていたので、何かおかしい。さすがに2回目、同じ理由で休みたいと言ったときには、私は考え込んでしまいました。
それに比べて、日本語専攻の女性も優秀な人が多く、仕事に対する意欲もおう盛でした。面接の際も、このような女性を採用したいと思える人が多くいました。ウラジオでは日系の企業や団体では、女性を採用している理由が良くわかります。特にウラジオでは、日本語を専攻しても女性の就職先がない、その分、男性より仕事に対して真剣のように見えます。
現在、わが社のウラジオ事務所では二人の女性が働いています。一人は日本語とは関係ありませんが、私と6年働いています。彼女の仕事の処理能力や責任感はばつぐんに高く、信頼の置ける女性です。
また、今年入社した日本語の話せるスタッフは、日本での長期留学経験がないのに日本語能力は高く、仕事に対しておう盛な興味と意欲を持っています。この二人で日本からの仕事をこなしていますが、まったく問題がありません。このようなことから「これから女性だけを採用して仕事をやってみようか」と、真剣に考えています。
しかし、外国企業がローカルスタッフを雇うのは「永遠のテーマ」かもしれません。企業と経営者に対する敬意と同感が得られなければ、外国ではうまくいきません。
日ロのビジネスを発展させるには、お互いの信頼関係が重要だと改めて気がついた一年でした。
2003/12/01 JSN 田代雅章
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2003年12月掲載の記事を転載したものです。