JSNトップページ > ロシアな日々 > ウラジオ短信

ウラジオ短信

日本語学校の説明会に大勢集まる

日本の国際化を目指した「留学生10万人受け入れ計画」が、今年の5月に10万人を突破したと文部科学省が発表している。

しかし、最近は一部留学生の中に不法就労などの問題もあり、留学生を受け入れる学校側では量的充実よりも学生の質が問われ始めている。そんなこともあってか、日本の大学や語学学校がロシア極東からの留学生の受け入れに乗り出すところが多くなっている。

ところが、ロシア極東での日本語学習者の実情は芳しくなく、学習者の数は年々減少している。その理由は、日本語を習得しても働く場が少ないことが挙げられる。それに対して、中国語や韓国・朝鮮語の方が実利的なことから人気が高くなっている。

また、極東地域の学生は日本の大学との交換留学制度や日本政府の国費留学のチャンスもある。そして、ウラジオやハバの日本センターでは、社会人を対象に無料の日本語教育を行なっており、毎回応募者が定員を超えているようである。このようにロシア極東地域では無料で日本語学習のチャンスもあり、私費留学生を集めるにはまだ難しいのが実情だ。

実は、我社は今年から東京の語学学校のロシア極東地域からの留学募集コンサルタントをやらせていただいている。先月初め、学校側から担当者がウラジオ・ハバを訪問して留学説明会を実施した。

ウラジオ・ハバとも集まった人たちはそれぞれ50人程であったが、真剣に説明に耳を傾けてくれた。質疑応答では、授業のやり方や1年間でどれくらいのレベルまで日本語を習得できるのか、卒業後の日本の大学を受験したいが可能か、といった質問も出た。

正直に言えば、もっと遊び半分の人たちも集まるのかと覚悟していたが、学校の先生からも来ていただき、今後学生を日本へ送るための参考にしたいと言っていた。

現在、来年4月からの長期留学に二人の現役大学生がハバから応募しており、11月には留学の意思確認のために再度私がハバを訪問した。

面接の印象は大変に良く、日本への留学の目的意識がしっかりしており、このような人たちにどんどん日本へ来て欲しいと思った次第である。

2003/11/17 JSN 田代雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2003年11月掲載の記事を転載したものです。

<<ウラジオ短信一覧へ戻る



page top