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ウラジオ短信

米国のイラク攻撃に市民は激怒

3月20日、ちょうどアメリカがイラクへの攻撃を開始した日、ウラジオへ出張に向かった。
新潟空港の警備の物々しさと比べると、ウラジオ空港の警備はいつもと変わらない様子にちょっと肩透かしをくらった。まぁ、ロシアはアメリカの武力攻撃には反対する立場を表明しており、ロシアがテロに会う危険性が少ないということか?と納得した。

このイラク問題に対するウラジオ市民の関心は非常に高く、行く先々で日本人はアメリカの武力攻撃をどう思っているのか教えてほしいと聞かれた。また、テレビのニュースで、日本の市民が戦争反対の大規模なデモをやっているのを見たが、日本政府より国民の方が理性的だと彼らなりの解釈で議論が始まり、話題を変えるのに窮することが度々であった。

ウラジオの中心部にはアメリカの領事館がある。連日の市民の批判行動にウラジオ市が、アメリカ領事館前での集会を禁止するという措置に出た。そこで、市民はアメリカ資本のハンバーガ店の前でアメリカやイギリス製品の不買運動を決行しようとアピールを始めた。さすがにこのデモの中、ハンバーガを食べている人はいなかった。

また、ある日突然、事務所のFAXに送信人不明のFAXが入ってきた。そこには、米大統領の顔写真に「WANTED」という見出しで犯人の人物像が語られている。この文章がちょっと面白いので紹介をすると、世界中の人々がマニヤック(アルコール中毒)でテロリストの犯人を探している。その人は重い精神病にかかっている。病名は「アメリカは全世界で1番優れている」というものである。その病気は特に春になると重くなる・・・。その人がジョージ・ブッシュに似ている。

弊社のスタッフはいたくこのFAXが気に入り、送信人が誰かを付きとめようと探したが分からなかった。
また26日には、ウラジオの青年がアメリカの行動を焼身自殺という方法で批判をするという事件も起きている。しかし、ここまで来ると冷静さを保ってほしいと思わずにはいられない。

2003/03/28 JSN 田代雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2003年04月掲載の記事を転載したものです。

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