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ウラジオ短信

便利なスーパーが増える

最近、ウラジオストクの街中を歩くと、「スーパーマーケット」が増えたことに気づく。ロシアでは旧ソ連時代から、客が商品を自由に籠に入れてレジに並ぶ商店はほとんどなく、売場で自分が欲しいものを見つけ、会計で代金を払い、再び売場に戻って領収書を提示して品物を受け取るという、実に煩雑な「カッサ方式」が一般的であった。

ロシア語ができない外国人にとって、このシステムはロシア人以上に厄介で、時には買い物に行く気さえ奪ってしまうことがあった。商品が手にとれないので、商品名すらわからない。パンひとつ買うにしても、いろんな種類のパンがあり、「パン」という単語を知っているだけでは、自分が欲しいパンを買うことすらできなかったこともある。

そういう意味では、スーパーが増えたことで、日本人旅行者にとっても買い物するのが便利になった。ロシア人にも「1ヶ所で必要なものを短時間で買える」と好評で、利用者を徐々に増やしているという。薄暗く品数が少なかった旧国営の食料品店が、明るく品数豊富なスーパーに様変わりすることも珍しくない。

小規模な商店や、食料品から日用品まで何でも揃う「市場(ルィノク)」がすぐに淘汰されることはないだろうが、日本や欧米のように、大規模小売店が、ここ数年にある程度のシェアを拡大することは間違いないと思われる。

2002/04/05 JSN 浜野 剛

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2002年04月掲載の記事を転載したものです。

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