8月7〜8日に沿海地方を暴風雨が襲った。公式の中間報告によると、ウラジオ市の被害総額は、12億8100万ルーブル(約51億2400万円)。沿海地方では9名の死者を出し、このうちウラジオの犠牲者は4名だった。
ウラジオ市内は交通機関がほぼ麻痺状態になった。郊外の鉄道と自動車の橋が流された。特に、シベリア鉄道ウラジオ駅から少し先のウゴリナヤまでの線路が流されたため、復旧まで乗客はウゴリナヤからの出発となった。
特に7日の午前中に降った集中豪雨はものすごかった。3時間ほどの間、滝のような雨が降った。この集中豪雨で、ウラジオ市内でもたくさんの建物が浸水し、市内中心部では1メートルも浸水した地域もある。
例えば、ウラジオ市内には、日本政府の資金援助でいくつかの職業研修施設が作られている。そのなかの一つが浸水し、高価な日本製の工作機械が全部、水につかってしまった。弊社が日本への研修生派遣を手伝っている関係で、責任者が連絡をくれたのだが、話を聞くだけでも状況は相当ひどいようだ。特に精密機械のことだ。修理だってかなり難しい。どうするのだろう。
8月14日の公式発表によると、いまだに冠水している農地があり、非常事態体制は続いている。また、被害額もさらに増えそうだという。しかし、8月30日までにはすべての復旧作業の完了が予定されている。
2001/08/27 JSN 田代雅章
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2001年09月掲載の記事を転載したものです。