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知事が辞任、変わるか旧体制

2月5日、沿海地方のエブゲニー・ナズドラチェンコ知事が、一連のエネルギー危機の責任をとって辞意を表明した。同日、同様にエネルギー大臣も辞任した。

実は、それに先立つ1月31日、知事は心臓病を理由に緊急入院していた。これまでも、不利な状況になると入院したことがあったので、「今回も何も起こらないだろう」とたかをくくっていたのだが。プーチン大統領が病院に直接電話して、辞任の話が固まった。

それにしても、病室からの辞意表明に国境はないのであろうか?

沿海地方知事の場合は、まだ辞意を表明しただけなので、今後の展開が注目されている。今のところ、知事本人のテレビやラジオ出演もない。沿海地方行政府に近い新聞が、「大統領はモスクワで働かないかと言ってくれた」という知事の病床インタビューを載せているくらいだろうか。

ナズドラチェンコ知事の誕生と同じ年に、私は今の仕事を始めた。いろいろとスキャンダルの耐えない人だったので、常にウォッチングしてきた身としては、感慨も多少ある。良くも悪くも、地方のエリートには珍しく、頻繁に全国ニュースで取り上げられる人物だった。

市民の反応はというと、おおむね、ナズドラチェンコ知事の辞任を歓迎している。しかし、今後の期待については、後任が決まっていないこともあり、口が重い。結局、前知事の側近たちが後釜に座るのなら、同じことだと、みんな考えている。

弊社の取材に対して、あるマスコミ関係は、「沿海地方は、知事一人を辞めさせただけでは変わらない。彼に寄りかかって私服を肥やしていた人々、彼のもとに出来上がったシステムをすべて処分しなければならない」と話していた。

今後、知事の正式辞任を受けて選挙が告示される。新知事誕生までの間は、混乱が続きそうだ。

2001/02/12 JSN 釈囲 美法

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2001年02月掲載の記事を転載したものです。

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