ウラジオストクのカフェ・レストラン「ノスタルジヤ」が最近、ロシアの優秀カフェ・レストランコンクールで金賞を受賞した。
並み居る欧州ロシアの老舗をさしおいて、一地方都市の小さなレストランが評価されたことには、大きな意義があると思う。 ノスタルジヤはウラジオ市の中心部にある。現地に行ったことのある人なら、必ず一度は訪れる観光スポットである。
私たちもウラジオを訪れるたびにここを利用している。浮き沈みの激しいウラジオの経済界に身を置きながら、ノスタルジヤはいつも繁盛している。 ここは、レストランと併設して土産物屋も経営しており、ロシアの民芸品とこはくなどの天然石のアクセサリー、ロシア人作家の絵画を売っている。
昔はみやげ物と絵画がメーンで、小さな喫茶店がくっついただけという感じだった。ところが、ウラジオが開放されてしばらくすると、店はどんどん大きくなった。
コンクールでは「12年前にゼロからスタートしたカフェ」という点が評価されたというが、まったくその通であろう。ノスタルジヤの後に似たような小規模のカフェ・レストランがいくつかできたが、どれも続かなかった。
ロシアで生活していると、日本人には「信じられない」不愉快な出来事が多いものだが、良い意味で「信じられない」のはノスタルジヤの繁盛ぶりではなかろうか。
2000/11/19 JSN 釈囲美法
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2000年11月掲載の記事を転載したものです。