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ウラジオ短信

候補者多数、知事選に関心

過去5年間ウラジオストク市には議会がない。これまで16回の選挙が行われたが、その度に諸事情で不成立に終わってきた。

諸事情の一つは投票率の低さだ。大部分の選挙区で投票率が規定に達しなかった。もう一つは裁判所である。例えば、選挙が成立しそうになると、誰かがその合法性を問う訴訟を起こし、裁判所が違憲の判断を下すのである。この「誰か」というのがミソで、たいていは当選者の対立候補陣営である。
こうして市議会は定員に満たないため活動することができない。しかも選挙が失敗するたびに税金が無駄に使われる。

こうしたなか、市選管委は12月19日のロシア下院選挙と知事選挙に加え、ウラジオ市議会選挙の実施を発表。ついで市長選の実施も決まっていた。

ところが先日、またもや市議選の実施を阻止する事態が起きた。理由は今回も裁判所の「違憲判決」。訴訟を起こしたのは前市長の法律顧問だった。同時に市長選の実施も危ぶまれている。「現在裁判は上告中だが、12月の選挙実施は遠のきそうだ(削除)」

ところで、市議選よりも興味深いのは知事選である。すでに13人が出馬の意志を表明しているが、政治家あり、行政経験者あり、実業家あり、女性候補者ありとバラエティーに富んでいる。特に現職のナズドラチェンコ知事と宿命のライバル、チェレプコフ前市長の戦いは見逃せない。
あと1ヶ月半、ロシアは選挙一色に染まる。

1999/11/08 JSN 釈囲美法

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1999年11月掲載の記事を転載したものです。

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