6月を過ぎた頃からウラジオストクの観光シーズンがはじまる。近隣諸国をはじめ世界中から観光客が集まり極東の港町は賑わいと活気をみせる。あるものはシベリアにこもり狩猟や釣りなどスケールの大きい自然を満喫しに、またあるものは古き西洋建造物の間を走る路面電車の車窓から覗くノスタルジックな景観を楽しみにやってくる。
ここウラジオストクを訪れた観光客は総じてエキゾチックなロシアに強い思い入れを残し去ってゆく。しかしながら観光インフラの不備が多くの人達に指摘されていたのも事実だ。
先日知人から電話があり、今年の夏にロシアに行きたいと相談を受けた。彼いわく「ロシアは戦争も無いのに電気や水道が夜間とまり、もう7年もそんな生活送っているんでしょ?」「食べ物が手に入らなくてマフィアが取り合いをしているんでしょ?」
まるで戦地にでも乗り込むかのような意気込みで、ロシアに行くこと自体が大冒険であるかのように聞こえてくる。
現在、ウラジオの観光インフラは若干の不備は残るもののかなり改善され、不具合・危険を感じることなく滞在できるようなった。
私はそんな心配性の彼をよそに今年の夏、 沿海地方の海洋自然保護区でスキューバーダイビングを楽しむ予定でいる。
1999/06/15 JSN 釈囲美法
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1999年06月掲載の記事を転載したものです。