ウラジオでは年明けから大人2人が野犬に噛み殺され2人が重傷を負った。噛み殺された遺体はズタズタだったという。
この事件を重く見た市の警察は、今月15日から狙撃班による夜間パトロールを始めた。たとえ飼い犬でも首輪や口輪がないものは射殺されるため、動物愛護団体からは抗議の声も出ている。
私の記憶で言えば、この4、5年で野良犬は確かに増えた。犬猫を家族のように可愛がる人がいる反面、路地裏に群らがる野良犬は増えていった。犬を捨てる理由として、えさ代が高く飼い主が養いきれなくなったこと。純潔種のつもりで買ったのに雑種と判明したことなどが挙げられる。確かに大型犬の場合、えさ代は人間の食費より高くつく。私の知合いに、自分は我慢しても愛犬には肉をやるという人がいた。
野良犬が増えたもう一つの理由として、管理組織の不在が挙げられる。 これまで野良犬・猫の捕獲や死骸の回収はゴミ処理会社が受け持っていた。しかし、市が補助金を打ち切ったため業務がストップし野犬が放置されてしまった。さらに悪いことに、犬たちは群れを形成し始めた。
地元紙によれば、最近は闘犬用の犬が野良化しており、これが人を襲うのだという。市民はこれまで「犬に殺される」など考えても見なかったが死亡事件の後は神経質になっている。今や夜道の敵は強盗ではなく野犬である。
1999/01/24 JSN 釈囲美法
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1999年01月掲載の記事を転載したものです。