ロシアは税金が高いことから徴税率が著しく低い。そこで国は取れるところから取ろうとする。また、企業もあの手この手で防衛策を研究し「いたちごっこ」を繰り返している。
沿海地方国税局によると、 ウラジオストク市の徴税率は94.3%とロシア国内でも高い水準にある。
同市の今年1月から10月までに徴収した税金は約20億ルーブル。このうちの34.7%が国、12.8%が沿海地方、残りがウラジオ市にそれぞれ分配される。
ウラジオ市の高額納税者は、 1位(株)フェスコ、2位(株)スーペル、ロシア貯蓄銀行沿海地方支店となっている。
そのためであろうか最近、ウラジオ市は道路整備を積極的に行っている。道路の拡張工事や立体交差点の建設。それによりウラジオ名物の交通渋滞も緩和されてきている。また歩道橋などもいたる所に見られるようになった。公共交通機関も無料である。
私もその恩恵を被っているので、 少しでもウラジオの財政に貢献したいと思っている。
ある日当社ウラジオ事務所に、外国人の活動を管理している組織の職員が突然訪ねてきた。彼は、ロシアから撤退する外国企業が多いので、頑張って残って欲しい、ここでの活動で問題があれば協力したいと説明した。これまでなら、外国企業とみれば徴税の格好の標的にしていたロシアが、変われば変わるものだと、私とスタッフのアンドレイは顔を見合わせた。
1998/12/07 JSN 田代雅章
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1998年12月掲載の記事を転載したものです。