ルーブルが切り下げられてから2週間以上が経つ。先週までウラジオストクでは、市民の間に特別な動揺は見られなかった。市民はじっくりと様子眺めをしていたのだ。
今日(9月4日)あたりから目立った動きがでた。ガソリンの値段が4ルーブルになったのである。これまで1リットル2.3ルーブルだったので、約倍に跳ね上がったことになる。国産ガソリンには、買いだめの人の波が押し寄せた。弊社のスタッフの話しだと、市街地だけでなく、郊外でもガソリンスタンドに50人以上の行列が出来ているという。一方、高価な輸入ガソリンを売るスタンドには人っ子一人いない。
市場でも市民が買いだめを始めた。販売業者も手持ちのストックを一気に吐き出すつもりのようだ。週末ということもあるが、今日の市場の人出はすごかった。
このような状況で外貨をルーブルに交換する人は少ない。また、銀行にもドルがないから、両替所でのパニックはない。
しかし、銀行が次々と預金を凍結してしまったため、銀行にお金を預けている人々は動揺している。当然ながら企業も預金を凍結されているため、給料その他の支払いが滞っている。
街頭に立つ闇両替屋の人々の数も、昨日今日で一気に増えた。首都の動揺が9000キロを渡って、やっとウラジオに到着した模様だ。
1998/09/07 JSN 釈囲 美法
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1998年09月掲載の記事を転載したものです。