前回、米国人の日系2世がウラジオストクで寿司屋を開店したと伝えた。
現地に住んでいる日本人に言わせると味はなかなかのもので、ネタは日本から直輸入しているらしい。日本通のロシア人にも人気があり、一人の飲食費が日本円で5000円前後というから少し高い。この店についての詳しいことは後日報告をしたいと思っている。
また、最近はウラジオで、ロシア語で「かまぼこ」とパッケージに書かれた純ロシア産のかまぼこを販売している。
日本で販売しているようなスティックかに風味かまぼこと板かまぼこの2種類がある。価格はかに風味が6000ルーブル(150円)、板かまぼこ300グラムが14000ルーブル(350円)。
この「かまぼこ」の製造は、ロシアで獲ったスケソウダラを日本から輸入した設備と技術で造っているから日ロ合作商品である。
会社側は、ホタテ入りやえび風味かまぼこなども作りたいと考えているようだ。しかし、残念だが板かまぼこの方は庶民にはまだ人気がない。その理由は、かまぼこ料理のレシピがロシア人にはわからない、というものだ。おそらく、日本で食べてうまいから造ろうとなったのだろうが、後のフォローがされていないのが残念だ。
かに風味かまぼこの方は、醤油をつけてそのまま酒の肴として食べたり前菜やサラダに入れたりしている。日本の食文化はロシア極東では受け入れられている。
1998/06/07 JSN 田代雅章
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1998年06月掲載の記事を転載したものです。