以前、にウラジオストク市の市長選挙が3月29日に行われる予定であることを伝えた。最近の情報では、チェレプコフ市長の任期満了は今年の7月5日と決定したようだ。また、 ウラジオ市の市議会選挙の投票が7月12日に行われるため、市長選との同時選挙の可能性もある。
ところで、最近のチェレプコフ市長の人気は高い。毎年、冬場になるとエネルギー不足から停電が恒例であったが、今冬は停電はほとんど無かった。
最近は市の中心部の道路も拡張工事が至る所で行われ、マンネリ化した交通渋滞が緩和されている。また、昨年秋からの水不足で冬まで市民の飲料水は持たないと言われていた。しかし水を使わない時間帯の断水を行い、何とか市民生活に支障をきたさなかった。
また、公共交通機関の無料を断行して年金生活者らの人気を勝ちとっている。このことを、当社のウラジオ事務所スタッフのアンドレイ(36)はソ連邦時代にも料金を払っていたのに、ついにウラジオは共産主義になったと、おどけて見せた。
この公共交通料金の無料化には財政の逆説的な理由がある。料金が安い上に無賃乗車が多い。有料の場合、各停車場には切符の販売所と販売員、または車内にも人員が必要である。その人件費の方が高くなるというわけだ。
これからの市長選に向けて、沿海地方とウラジオ市の対立が激しくならないことを望んでいる。
1998/04/19 JSN 田代雅章
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1998年04月掲載の記事を転載したものです。