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ウラジオ短信

「たまごっち」が大流行

ウラジオも新年のプレゼントを求める人々で商店はにぎわっている。今、ウラジオの子供たちに超人気なのが日本でも流行した「たまごっち」。マレーシアなどで生産された外国製の「たまごっち」が飛ぶように売れている。

一個6万〜15万ルーブル、日本円で約2000円前後だから安くはない。この「たまごっち」、人気の背景には、まず子供たちの間でデジタルゲームそのものがはやっていること。さらにウラジオでも家で犬や猫のペットを飼えない子供が増えていることがある。

一昔前ならどこの家もロシア製の調度品しかなかったが、今は外国製の高価な家具などが置いてある。若い世代は、部屋を汚したくないこと、家具を傷つけたくないことがペットを飼わない理由である。

食生活の変化もある。例えば市場で肉を買う場合、骨のついた肉の塊が当たり前だった。しかし、最近はきれいにスライスされ売られている。ペットのえさが家庭で出にくくなり、ペットフードが当たり前となっている。

この「たまごっち」ブーム、日本のように「生き物」を簡単に殺し子供の教育に悪影響を与える、などの社会的な問題までにはまだ発展していない。

日本語を教えている学校では、日本の文化や言葉の勉強になると好意的にとらえている。ただ夜もピィピィ泣いてうるさいので両親が怒ったすえに「殺した」という子供もいる。

日本で流行したものが、こんなにも早くウラジオで受け入れられるのはロシアのあらゆるものが急激に変化している証拠であろう。

1997/12/21 JSN 田代雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1997年12月掲載の記事を転載したものです。

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