ロシアの学校は9月から5月末までで、6月に入ると卒業試験が始まる。
今年、沿海地方の中等教育(日本での小中高一貫教育)の修了者(16〜17才)は約1万6000人。うち3分の1がウラジオストク出身者である。
特に成績優秀な卒業者には金メダルが授与される。新聞発表によると、今年の沿海地方の金メダル受賞者は159人(昨年は約140人)。
今やロシアの大部分の大学が日本並みの学費を取っている。わずかに残された無料入学枠もすぐにコネで埋まってしまう。しかし金メダル受賞者の場合、有料枠に入学しても知事が授業料を払ってくれるのだ。
片や 地方公務員である教師や医師らが 給料要求のストをしているというのに、懐の大きな話である。
この金メダル受賞者たちは学校の成績が優秀なだけではない。品行方正、コンピュータを友とし、芸術に造けいが深く英語がペラペラなうえ、地方の教育オリンピックを勝ち抜いた恐るべき子供たちなのである。
一方、諸外国も地元の教育に盛んに投資している。極東大学のインターネット・センターはアメリカの民間基金の援助で作られた。日本政府は昨年のLL教室(11万ドル)に続き、今年も極東大学に日本語学習コンピュータ教室(14万6000ドル)を寄贈した。私のような地方の国立大学出にはかなりうらやましい待遇である。
1997/06/29 JSN 釈囲 美法
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1997年07月掲載の記事を転載したものです。