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ウラジオ短信

映画が火付け役で日本ブーム

今年の1月19日から、テレビの全国放送が始まった日英合作映画「将軍」が、ウラジオでもたいへんな人気である。スタッフのスベトラーナ(25)によると、彼女が住んでいる大学寮ではその時間全員が見ているそうだ。土日曜(連夜)の夜の10時と放送時間帯がいいことから、ウラジオでは視聴率が90%台らしい。今までは、シュワルツネッガー主演のアクション物や、スリラー映画に人気があった。最近はこれらは飽きられている節もある。やはりロシア文学に見られるような重厚な歴史物が、この国の人は好きなようだ。

この映画が火付け役となり、ちょっとした日本ブームが巻き起こっている。日本語の「はい、こんにちは、むずかしい」といった言葉を覚え、ウラジオストク新聞社では記者が記事を書きながら「うーん、むずかしい」と日常的に使ったりしていると聞いた。

また、日本の歴史に興味を持つ人々が増えている。日本の「鎖国」を初めて知ったとか、武士や芸者とは何かとか、日本の話題に事欠かない。映画の中で将軍にお辞儀をしないだけで切り捨てられるが、「JSNのボスもあいさつをしないと首か」とスタッフのアンドレイ(34)にまじめに訪ねるロシア人もいるから笑ってしまった。

「将軍」の主演は三船敏郎。ロシア人にもっとも知られた俳優である。「デルス・ウザーラ」でも主演し、ウラジオにも来ている。本物を見たロシア人のおばさんに、「田代はミフネに似ている」と一度だけ言われた。

1997/02/02 JSN 田代雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1997年02月掲載の記事を転載したものです。

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