最近、出張でウラジオに行ってきた。彼の地では季節はもう秋。 ロシア語ではしばしばこの季節を「黄金の秋」と呼ぶ。日本語では「紅葉」というが、ロシアでは「黄葉」といったところか。ほとんどの葉が黄色く染まり、赤い葉はまばらにしかない。行楽には最適の季節である。
さて、今回は行きも帰りも飛行機は満席だった。しかも、乗客のほとんどが日本人の団体だった。
ツアーグループに随行するとき、飲み水は大きな問題である。完全滅菌に慣らされている日本人の胃に、ウラジオの生水(蛇口から直接飲む水)はたまにキツすぎたりするからだ。
ウラジオではモナスティールスカヤという銘柄の沿海地方産のミネラルウォーターが有名で、良く飲まれている。この水はウラジオ便の飛行機でも、市内のどこのレストランでもお目にかかるほど人気がある。しかし、炭酸が入っているので、日本人にはイマイチというところか。
さらに、今年に入ってから浄水機を通した水がよく売れている。夕方には売り切れてしまうこともあるそうだ。この水は11リットル入りのタンクで売られている。さらに追加料金を払えば、家まで配達してくれる。
時折、日本のボトル入りの水は石油よりも高く感じることがあるが、市民の生活意識の高まりにしたがって、ウラジオでも水の販売は商売として成り立っている。
1996/10/27 JSN 釈囲 美法
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1996年10月掲載の記事を転載したものです。