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ウラジオ短信

ウラジオ市の80%停電

大統領選挙が終わって、極東の人々はモスクワに裏切られたようだ。特に、沿海地方はエリツィン政権を応援したにも関わらず。

選挙前、エリツィン大統領は、未払い賃金の問題を解決する約束をしていた。ところが、沿海地方の電力会社ダリエネルゴに対する連邦予算と電力消費者の未払いは、約1兆5000億ルーブルにものぼり、何の問題も解決されていない。そのため電力会社は、炭坑会社へ支払いが出来ず、炭坑会社への支払いができず、沿海地方への石炭の供給をストップする事態が起きている。

この問題について、中央のマスコミも再三取り上げており、事態がいかに深刻かニュースからも伝わってくる。

今、ウラジオ市の80%でなんらかの停電をしている。一般家庭での1日の停電時間は、平均5〜8時間。ひどい所では、半日電気がつかない地域もあるようだ。日本の映画制作会社が今、ウラジオを撮影している。夜、レストランが開業できず、夕食を食べる場所を探すのに苦労するという笑えない話もある。幸い、金曜日のニュースでは、政府は電力会社への未払いについて、支払う決定をしたようであるから市民はほっとしている。

極東国立大学を先日、卒業した青年が私に「こんなことだから、僕はジュガノフ(共産党)を応援したんですと」と、真面目な顔で話し、「でも、僕はこれからビジネスをやりますよ」とニッコリ笑った。

1996/07/21 JSN 田代 雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1996年07月掲載の記事を転載したものです。

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