最近のウラジオストク市内では、ここ数年の変化をいたるところで目にすることができる。
中でも目立つのは、韓国の財閥企業・現代のビジネスセンター建設である。このセンターは、市のど真ん中、市役所の裏の丘に建設中である。敷地面積21876平方メートル(50年間の賃貸)、地上11階、地下2階の大建築物である。
建設機械や作業員は韓国から連れてきている。韓国流の急ピッチ作業で、建物の骨組みはわずか55日間で組み立てられた。来年7月の完成予定である。
鉄骨が市内の小高い丘にニョキっとそびえているだけで、市の景観もずいぶん変わった。このほか、最近、某銀行が自社ビルの改装を終了した。旧国営食料品店の改装工事もあちこちで始まっている。
一方で、3、4年前に市内で唯一外国人の泊まれるホテルだった「ウラジオストク」ホテルや「アムールスキーザリフ」ホテルは、今や見る影もない。同じく、当時、市内の最高級レストランといわれた「長崎」の玄関の鳥居も、すっかり色あせてしまった。さらに、老朽化した建物を修理する資金さえないという話も多い。
このように、ここ数年の市内の変化には目を見張るものがある。外観だけは今までの町の印象とかなり違ってきた。あとは、内面がそれに伴うかどうかであろう。
ただのロシアの地方都市ではないというウラジオの心意気を見せてもらいたいものである。
1996/06/30 JSN 釈囲 美法
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1996年07月掲載の記事を転載したものです。