最近のウラジオでは、ピロシキを食べながら歩く人の姿に代わって、ハンバーガーやホットドッグを片手に町を歩く人の姿が目立って多くなった。
何かと忙しい囲ウラジオっ子にファーストフードが持てはやされている。背景には、共働きが多く、昼食を取るにも時間がないこともあるようだ。
中国製のラーメンが主婦を開放したという話も聞く。レトルト食品などないロシアでは女性がすべての食事を用意しなければならなかった。「今では旦那にラーメンを置いとけば大丈夫」とインスタントラーメンはロシアをも制覇しそうな勢いだ。
ウラジオには現在、ハンバーガーショップ、ピザの店、日本のうどん屋などが開店している。今春開店した米ロ合弁のハンバーガーショップは、大変な人気で、今でも店の前には長い列ができている。
この店の人気は、明るい清潔感のある店の造りとサービスにある。店員のてきぱきした対応はロシア人にとっても気持ちがよいはず。ハバロフスクにある日本のラーメン屋も人気があり、ロシア人がフォーク片手においしそうに食べる光景に出くわす。
ロシア極東の食文化も和洋折衷で、面白くなりそうである。
1996/12/29 JSN 田代 雅章
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1995年12月掲載の記事を転載したものです。