ロシアでは広告代理店がかなりもうかっているという。
テレビをつけると、本当に多種多様なCMをやっている。本来の番組よりもCMの方が面白い。
つい最近、たばこ製品と酒類の広告を禁止する大統領令が出た。テレビや新聞では、この種の広告は全く見かけない。私の友人は「結局2ヶ月経ってほとぼりが覚めれば、またにぎやかに始まるよ」と笑っている。
しかし、お酒やたばこのCMがなくても、十分楽しめる。ロシアの広告代理店が独自に作っているものもあるが、CMのほとんどは西側のパクリか、吹き替えでそのまま流している。
例えば、最近多いのがノリピーこと酒井法子の「画王」のCM。あと、古いのでは、浅野温子の「パスポートサイズ」8ミリビデオ。元レベッカのノッコの「てっぺんリバティー」。最後に必ず「メイド・イン・ジャパン」と付くのが特徴。
P&Gやジョンソン、ロレアル、パンテーンなどシャンプーやせっけん、クリームのCMは日本と同じものが流れたりする。
最近は医薬品、化学製品の広告が増えた。歯磨き粉や頭痛薬、洗濯洗剤のCMはきちんと比較対照実験をしている。私が好きなのは、クレアラシルのCMである。かわいいロシア人の男の子2人が、クレアラシルを使うのとそうでない場合を比べている。使っている子は彼女とデートに出かけるというオチ付きである。
1996/03/19 JSN 釈囲 美法
※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1995年03月掲載の記事を転載したものです。