1月9日で新年休暇が終わって皆仕事に戻り、交通渋滞もそれに合わせて戻って来るのかとうんざりしていたところ、1月半ばを過ぎても我が家の前の環状道路に車は少ない。交通量が戻っていないのはなぜ?と思い、ロシア人の友人に聞くと、「正式な休暇は1月8日までだがロシアの旧暦の新年は1月14日だから半ばを過ぎないと皆正常な仕事体制に戻らない」と言う。
ロシア人の友人ナタリアさんはモスクワで新年を迎えた後、友人と10日間モルジブへ行っていたと言う。モルジブでは小さな島の高級リゾートホテルに滞在し毎日スパやエステを楽しんだそうだ。モスクワからは直行便があり便利と言う。交通費と宿泊代だけで10日間で4000ドル。「高級ホテルに滞在してエステ代もかかったから少し高くなったけど良い休暇だったわ」と言う。
AP通信によると、新年休暇にお隣の国フィンランドへ旅行したロシア人は、去年より60%増の約8万人になり、フィンランド国営鉄道も20本を増便してその輸送にあたった。これは去年の11本増便に比べ倍増したと伝えている。フィンランド観光局によると、この休暇中にロシア人が使った金額は65ミリオンドルと予測されている。ヘルシンキのデパートで買い物中のウラジミールさんはサンクトペテルブルグから車で旅行し、3日間の滞在で約2500ドルを使うと語っている。フィンランドはロシア人にとって安定した国であり、清潔な環境と自然を大切にするという点に加え、ロシア正教の寺院や帝政時代の建物が多くあり、ロシア人には親しみやすい休暇環境が揃っていると旅行関係者は分析している。
一方年末12月、モスクワのフランス大使館はロシア人のビザ申請が多すぎ、1日で500人分のバス旅行者のビザ申請があるなど、週5000人にビザを発給しても追いつかず、1旅行社バス1台分のみとビザ発給規制をしたが、12月半ばには約1000人分のビザ発給が間に合わなくなると言う事態になってニュースになった。
しかし、新年休暇で一番話題になったのは、ロシア人富豪達で賑わうフランスの高級スキーリゾート地で売春行為摘発でフランス警察に逮捕された金属大手会社ノリリスク-ニッケルの主要株主プロホロフ氏かもしれない。AP通信によると捜査当局はプロホロフ氏らが滞在する高級リゾート、クールシュベルにロシアの売春婦たちが連れて来られると言う情報をもとに何軒かのホテルで一斉摘発を行った。売春婦たちへは、主に高級ブティックの品々がプレゼントと言う形で支払われていたと言う。プロホロフ氏は41歳の独身、昨年のフォーブス誌に世界で89番目に大金持ちとランク付けされ、巨額の資金と見栄えのする外見で、ロシアの理想の独身男性といわれること多かったそうだ。イギリスのデイリーテレグラフ紙は、国会議員でナショナリストのアレクセイ・ミトロファノフ氏が国会で、プロホロフ氏逮捕は“非常に問題だ”、“この逮捕の政治背景を問う必要がある”、“今後ロシア人国会議員の外国旅行の際にもこのような事が起こりかねない”、“我が国内でフランス人ビジネスマンがどのような行いをしているのか調査も出来る”と脅したと伝えている。プロホロフ氏はその3日後に釈放されロシアに戻った。(2007年1月)