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モスクワ便り

【Volume.08】“散財して”祝う年越し

 モスクワの新年は派手な打ち上げ花火とウオッカやシャンペンを浴びる様に飲むパーティーで始まる。年末の2週間ほどは、皆仕事そっちのけで、新年のパーティーと1月8日まで続く休暇を過ごす準備に忙しい。

GUMデパート内の宝石店にて

 イタル−タス通信社がモスクワの約1600人を対象に12月9、10日に行ったアンケート調査によると80%の人達が家で新年を迎えると答えている。が、決して家族だけで厳かに新年を迎える訳ではない。若者達は仲間同士、家族は親戚や友人家族が集る。1年で最長の、最も出費の多い休暇である。

 政府統計局によると、1年前のこの時期には工業生産が約15%落ち込んだと言う。落ち込むのは工業生産高だけでなく家計にも大きな影響を与える。モスクワの市民が平均約1500〜3000ルーブル(約60〜120ドル)を家庭での新年のお祝いの飲食に使うそうだ。レストランで新年を迎えるには前もって予約の入場チケットを購入しなければならず、その値段はレストランの格により違うが、数百ドルから1万ドルまでするところもあったようだ。新年のパーティーに欠かせないのがジェド-マロス(ロシアのサンタクロース) とそのアシスタントのスニェグーロチカ(雪の精の少女)のコンビ。最近の会社や家族の大掛かりな新年パーティーには、プロのジェド-マロスとスニェグーロチカのレンタルが増えている。本番の年越しパーティーでの料金は、30分間3000ルーブル。子供にデェド-マロスとスニェグーロチカを信じていてほしいと願う本物志向の親達の為には、玄関からではなく窓から登場するサービス(30分1万8000ルーブル)もある。住宅のある建物が国の所有であれば、上るための許可を役所と交渉して得る為、更に数千ルーブルかかると言う。年末これらレンタル会社の電話は鳴りっ放しになるとモスクワタイムスは伝えている。

 年末、赤の広場にある、イルミネーションに輝き連日買い物客でいっぱいのGUMデパートで会った若者3人組に話を聞いた。アパートに仲間数十人が集まる年越しパーティーの準備の買い物中という。ボリスさん(32歳)はコンサルティング会社勤務。新年のお祝いの贈り物費用として約1500ドルを予算にしているそうだ。テレビ番組制作会社で働くイゴールさん(33歳)の予算も同じく約1500ドルで、贈る相手は家族と友人達だそうだ。「今年の新年パーティーは多くの仲間が集まるので素晴らしい構成と装飾で盛り上げたいし、プレゼント費用も当然多くなるが年に1度の大パーティーを楽しみたい」と言う。装飾係は、建築家のマクシムさん(26歳)で、彼も家族や友人用のプレゼントには1000ドル以上を予赤の広場に造られたリンクでスケートを楽しむモスクワッ子達所はいっぱいあると楽しそうだった。定していると言う。パーティー後の休暇はそれぞれにモスクワの各所へ遊びに出かけるそうだ。店やレストラン、カフェ等は開いているし、行く所はいっぱいあると楽しそうだった。

 12月3日、赤の広場に巨大アイススケートリンクがオープンした。アリーナの広さ2700平方メートルでヨーロッパ最大。入場料は1時間半で500ルーブル。ライトアップされたカラフルなネギ坊主を冠するワシリー教会やクレムリンのスパスカヤ塔をバックに滑るこのスケート場は、この冬モスクワの一番の人気スポットになるはず。(2006年12月)

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