夫/ワジム(31歳)商社勤務
妻/ワレリヤ(30歳)主婦
長女/アレクサンドラ(7歳)
次女/ダリヤ(2ヶ月)
ヤセンコさん一家は四人家族。夫のワジムと妻のワレリヤ、長女のアレクサンドラ(ワレリヤが最初に結婚した時の子供)、そして今年1月に誕生したばかりのダーシェンカ(ダリヤの愛称)からなっている。
ワジムは太平洋国立経済大学(PSUE)で商品学を専攻し、現在は外資系の貿易商社で極東地域主任として働いている。妻のワレリヤは専門学校で中国語簿記を学んだ後、美容院で5年間、ネイルケアの仕事をしてきた。
一家の収入は1ヶ月およそ1300ユーロで、収入の5%が公共料金の支払いに、20%がおむつや育児用品、小児医療の支払いに充てられている。また家の修繕費用として収入の30%程を貯金している。残りのお金は食費や車の維持費、余暇や休日に費やされる。
夫妻の馴れ初めは、友達の結婚式で知り合ったことにはじまる。ワジムは新郎の友人として、ワレリヤは新婦の友人として式に招かれた。この婚礼のお祝いは2日間にわたってつづき、各種余興やゲーム、ダンスが催された。婚礼の後、新郎新婦は友人一同と海へ数日間遊びにでかけることになり、ワジムとワレリヤもこれに参加した。ふたりはつきあいはじめてから半年後に同棲するようになり、更に1年半後、ワジムの30歳の誕生日を期に結婚を決めた。
ワレリヤはウラジオストク市郊外のウゴリヌイ地区に、両親から誕生日のプレゼントとして贈られた住宅を持っており、結婚後、ふたりはそこで暮らすことになった。
物件は一軒家を3世帯でシェアする、というものだったが、入居当初はペチカ(薪・石炭を燃料とする暖炉)しか暖房がなく、トイレは屋外、水も外に汲みに行く必要がある上、壁はゆがみ、配線や配管も老朽化していた。ワジムとワレリヤはこの住宅にもう一部屋を建て増し、バスユニットを新調するという大々的な改修を施すことに決め、作業にとりかかった。
ヤセンコ一家は自費で水道と下水を住宅までひき、家屋の暖房システムも設計しなおし、修繕を施した。もうじき部屋の建て増し工事が完了する。修繕にあたっては、一家皆が力を合わせた。ワジムが設計と主な作業を行い、ワレリヤは壁紙の貼り付けやペンキ塗りといった室内装飾を担当した。まだ7歳のアレクサンドラも母親の家事をよくお手伝いした。ダーシェンカは一家が行っている作業の重大性を理解しているかのように、夜泣きすることもなく、仕事を終えた両親がぐっすりと眠れるよう、いい子にしていた。
一家は暇をみつけては、森や海といった自然の中でくつろぐのを楽しみにしている。ヤセンコ夫婦はジョギングに親しんでおり、ワジムは更にキックボクシングと水泳のクラブにも通っている。アレクサンドラはお絵かき教室に通い、とても上手な絵を描く。一家は近いうちに家の修理を完了させ、日本やエジプト、フランス等の海外旅行にでかける事を計画している。