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ロシア一般家庭の紹介

レニングラード州ヴィボルグのマリシェビフさん一家紹介

夫/イリヤ(31歳)ボイラーマン
妻/スベトラーナ(27歳)泥酔者収容施設主任
長女/ポリーナ(5歳)

イリヤとスベトラーナが知り合ったのは友人の結婚式。イリヤは新郎の、スベトラーナは新婦の友人だった。友人の婚礼の初日、イリヤは快活で理想の女の子に目を奪われた。彼女は心から友人の幸せを喜び、婚礼のどの余興にも加わって、よく笑い、皆を気の利いた冗談で楽しませた。

ロシアの風習では、公式な婚礼の日、つまり若夫婦がZAGS(戸籍登録部)に登録をすませ、友人親戚一同とレストランでお祝いをした日の後、二日目はごく親しい友達や親類だけで過ごすことになっている。通常この日は家でゆっくりすごすか、天気がよければ、少人数でピクニックにでかける。新婚夫婦はこの婚礼二日目を自然の中で過ごすことに決め、最も親しい友達の中に、スベトラーナとイリヤがいたという訳だ。
友人たちは自然の中で思う存分羽をのばし、その日の終わり近く、イリヤは勇気を奮い起こしてスベトラーナをデートに誘った。こうして二人はつきあうようになり、一年後に結婚式をあげた。そして一年後、娘のポリーナが生まれた。

若い一家は当初、イリヤの両親と同居していたが、ポリーナが幼稚園に通うようになった時、アパートを借りて独立することに決めた。家計は当然厳しくなったものの、親元から離れて暮らすことを彼らは気に入っている。幸いなことに一家は友人のおかげで、家賃7000ルーブルと、そう高くないアパートを見つけることができた。

現在スベトラーナはヴィボルグ市の泥酔者収容所の主任として働いている。仕事は困難かつ気苦労の多いものだが、スベトラーナにキャリアとして昇進する道をひらくものである。
スベトラーナの月給は総額9000ルーブルでしかないが、他の警察職員同様、彼女も一連の割引特典を享受している。無料の医療サービスや、無料の交通機関利用券、それに年に一度、休暇地にでかける際の往復交通費などである。イリヤはボイラーマンとして働いているが、月給は7000ルーブルと更に少ない。とはいえ、彼の勤務シフトには時間的な余裕があるため、イリヤは運輸会社で荷役のアルバイトをしたり、地元の住宅管理局で金属組立工として働いたりし、結果、1万2000〜1万5000ルーブルの収入を得ている。ポリーナがまだ小さく、幼稚園に通っていなかった頃、スベトラーナは自宅でネイルケアの仕事をはじめた。彼女は今では受ける注文を減らしているが、幾人かの顧客は残っており、一月におおよそ3000ルーブルを稼いでいる。

家計はスベトラーナが管理している。イリヤが節約下手なため、お金の管理はスベトラーナに任せた方がうまく行くだろうと決めた。月々7000ルーブルが家賃として支払われ、1万5000〜2万ルーブルが公共料金にかかる。スベトラーナは3000〜5000ルーブルを貯金するよう心がけており、半年に一度、一家はフィンランドにショッピングと休暇にでかける。ヴィボルグ市はフィンランドとの国境に近く、そこに出かけるのは、沿海地方やハバロフスク地方の人々が中国へ出かけるようなものだという。残りのお金は食費やポリーナの幼稚園代、その他に費やされる。

今年(2007年)の夏、一家はスベトラーナの両親と共に、ウラジオストクのおばあちゃん(スベトラーナの母方の祖母)の元に出かけた。スベトラーナはもともとハバロフスクに生まれ育ったのだが、彼女が学校を卒業した時、一家は父親が暮らしていたレニングラード州(ヴィボルグ)に引っ越すことを決めた。当初スベトラーナは友達をひどく恋しがったものの、時間が経つにつれ新しい友達ができ、新しい暮らしになじんでいけたという。 (2007年09月)

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