夫/コンスタンチン(45歳)道路建設技師
妻/アーラ(45歳)出納係
長男/ニコライ(21歳)大学生
オプフチン一家は、沿海地方ウスリースク市に住んでいる。一家はそもそも大家族で、夫妻の両親も子供たちと別居はしているが、同じ町にいるし、夫妻の兄弟も、ミハイロフカ村、ウラジオストクと、わりと近くに住んでいる。大変仲の良い家族で、祝日や家族の記念日はいつも一緒に過ごしている。どちらも一軒家なので、盛大な宴会をしても気兼ねすることはない。
コンスタンチンは道路建設会社のエンジニアをしている。彼の会社は沿海地方内の何千キロもの道路を建設、整備してきたが、仕事に対する評価は高く、彼自身も、社内で重要な役割を任されている。長期出張こそ少ないが、頻繁に家を空けることも多い大変な仕事である。アーラは銀行で出納係をしている。長年、会計担当を務めてきたが、年老いた両親の世話をするため数年前に、交替制で時間がとれる今の仕事に移った。両家とも両親は持ち家暮らしで、たいした家事も必要ないのだが、雌鳥のいる小さな庭付きの畑の管理もある。かといって両親は町なかのアパートに引っ越す気もないので、放っておくことはできないのである。
ニコライは寮で暮らしながらウラジオストクの大学に通っている。今年の6月に卒業を予定しており、卒業後はウスリースクに戻り、父と同じ会社で働くつもりである。
一家の家計は夫妻が支えている。コンスタンチンの月給は実績に連動した歩合制で、1万5000〜5万ルーブルほどと大きくばらつきがある。アーラの月給は1万2000ルーブルである。これだけで必要経費、実家への援助の全てがほぼ賄え、貯蓄にもまわせる。一家は3部屋のアパート暮らし。月2500〜5000ルーブルを家賃と電話に、約3500〜5000ルーブルを食費に当てるが、コンスタンチンが頻繁に出張に行くこともあり、2人分としてはこれで充分足りている。また、アーラが主に使用する自家用車と、コンスタンチンの社用車がある。若い頃に家電やパソコンや家具などは購入済みで、最近では大きな出費もない。
ニコライは昨年の夏に父親の会社でアルバイトし、4万ルーブル稼いだので、しばらくはこのお金で生活することができた。夫妻は戻ってくるニコライにアパートを買ってやるつもりで貯蓄している。というのもニコライは卒業と同時に結婚する予定だからだ。 (2006年02月)