夫/ユーリー(45歳)運転手
妻/オリガ(42歳)教員
オリガの母/マルガリータ(62歳)年金生活者
長男/チモフェイ(20歳) 大学生
パブロフさん一家は4年前にウラジオストクに引っ越してきた。それまでは、シベリア、カムチャツカ、サハリンなどを転々としてきた。というのも、ユーリーが通信設備を設置する会社で働いていたためであった。しかし、長男チモフェイの高校卒業を2年後に控えたとき、そろそろ落ち着き先を決める必要があると考えたのだ。加えて、夫妻も、引越しを繰り返す生活に嫌気が差していたことも大きかった。ユーリーは僻地での仕事で、給料も多かったので、それまでにある程度のお金を蓄えていた。このお金で、オリガの母が暮らすウラジオに定住する準備をしたのである。一家はまず、郊外に4DKの庭付きの一軒家を購入した。ここは電気や水道もきちんと完備されており、果物や野菜を育てることもできるので、非常に便利である。しかし、市内から遠く離れているため、チモフェイの通学には不便で、彼はオリガの母が所有している市内の2DKのアパートに泊まることもたまにある。
ユーリーの現在の仕事は、どんなに遠い現場でも、沿海地方の外に出ることはないので、以前よりは楽になった。給料は季節や仕事量によって異なる。冬場はほとんど仕事がないが、その代わり、春から秋にかけて休みなく働く。給料は月平均約2万ルーブル(約7万4000円)。チモフェイも、夏場は父の会社でアルバイトをする。泊り込みのきつい仕事だが、給料は良く、昨年の夏は2000ドル稼いだ。
オリガは学校の先生をしている。担当はロシア語と文学である。夫の収入が良く、息子も比較的自立した生活をしているので、収入のことをあまり気にせずに仕事ができる。月給は約3500ルーブル(約1万2950円)である。
水道・光熱費など家の管理費が月に2000ルーブル、食費やその他の支出が3000〜5000ルーブルである。オリガの母が所有するアパートの管理費は2000ルーブルほど。これ以外に決まった出費はないので、残ったお金は貯金に回している。祖母のマルガリータが家事をよくやってくれるので、夫妻はとても助かっている。以前、郊外にダーチャを持っていたが、一軒家を購入した際に売却することにした。最近は家を自分たちでリフォームしており、冬までには作業を終わらせるつもりである。(2005年05月)