夫/ロマン(33歳)エンジニア
妻/アレクサンドラ(35歳)専業主婦
長女/アンナ(9歳)
次女/エレーナ(3歳)
一家は沿海地方の北東部にあるテルネイ村で暮らしている。この村では、沿海地方の木材産業を担う企業が活動し、多くの住民が木材と関係のある仕事をしているが、ロマンは極東でも有数の木材調達・加工会社「テルネイレス」で働いている。彼は、ハバロフスクの大学を卒業後すぐに就職したので、この村で働き始めてすでに10年になる。
アレクサンドラと知り合ったのは6年ほど前。友人たちと沿海地方南部の保養地に遊びに出かけたときに出会った。彼女はナホトカの出身で、2度目の結婚であった。彼女は当時、離婚したばかりで、中国や韓国から仕入れた衣服を販売する小さな店を経営しながら、娘のアンナを一人で育てていた。その当時、彼女の店は小さいながらもうまくいっていたので、手放すのは惜しかった。それに加えて、住み慣れたナホトカを離れ、当時の彼女からすると最果ての地のように思われるテルネイ村で暮らすのは、大きな決断であった。しかし住み始めてみると、環境は思ったよりも良く、まもなく次女のエレーナも生まれた。4DKのアパートも購入し、自分たちで内装をリフォームした。子供がまだ小さいので4人家族には広すぎるくらいである。
とはいえ、テルネイはウラジオやナホトカなどからほとんどの生活物資を輸送してこなくてはならないので、物価が高いのが難点である。
ロマンは出張が多い仕事なので、アレクサンドラは家事に専念している。彼は木材加工の専門家で、給料は月に1500ドル。4DKのアパートの管理費と光熱費が3000〜5000ルーブル、食費が5000〜6000ルーブル、雑費が8000ルーブルである。ロマンもアレクサンドラも旅行が趣味だが、エレーナがまだ小さいので遠出はまだ難しいが、それでも昨年は一家で韓国を旅行した。また長期休暇には、アレクサンドラの祖母が暮らす南部の村に行くことが多い。(2005年03月)