夫/アレクセイ(51歳)軍人
妻/アレクサンドラ(48歳)病院勤務
長女/イリーナ(22歳)大学生
長男/スタニスラフ(16歳)高校生
コハノフスクさん一家はロシアで数多く見られる典型的な軍人の家庭だ。夫のアレクセイは根っからの軍人で、今はアルセーニェフ市にある基地に中佐として配属されている。
一家は15年前、アレクセイの転勤を機にそれまで住んでいたロシア内陸部からここ沿海地方のアルセーニェフ市に越してきた。一家は今、夫が働く基地の寮(3DK)に住んでいるが、彼らの生活は引越しの連続であった。長女イリーナが生まれた時、一家ははキエフ(ウクライナの首都)に住んでいたが、長男スタニスラフが生まれたのはチェコスロバキアに越してからだった。
長女イリーナは極東国立大の経済学部5年生で、現在は親元を離れウラジオストク市で生活している。彼女は非常に優秀な生徒で、成績優良者のみに与えられる特別優待制度により入学時より学費は免除されている。
コハノフスクさん一家は子供達が学校を卒業し、夫が退役したら一家全員でモスクワに越すつもりでいる。沿海地方は彼らにとっては故郷ではなく、また気候も厳しく決して住み易い町ではないのがその理由だ。長男のスタニスラフは既にモスクワの大学に入学する予定でいる。
一家の収入はアレクセイの毎月の給料7000ルーブルと、同じ基地内の病院で働く妻アレクサンドラの月給3000ルーブルの約1万ルーブルになる。そのうち毎月2000〜2500ルーブルを長女の仕送りに充て、600ルーブルをアパート管理費、3000ルーブルを食費等に使っている。その他に衣類や日用品等の購入に1000〜2000ルーブル使うが、毎月1500〜2500ルーブルは必ず「モスクワ準備金」として貯めている。
家長アレクセイさんは「私と妻は、子供に学業を積む場と夢を叶える場を提供することに生きる目的があると考えている」という。(2004年05月)