夫／ユーリー（43歳）軍人
妻／タマーラ （43歳）教師
長男／エブゲニー（20歳）大学生
デミヤネンコ一家の生活は軍人の家族の典型である。ユーリーが陸軍士官学校を卒業してから21年間、家族は8回も引越しをした。主にユーリーはロシアの様々な地域で従軍するのが任務だが、ハンガリーに数年間いたこともある。
ユーリーとタマーラは息子のことを常に心配していた。それは、父親の仕事のせいでエブゲニーが5回以上転校しなければならなかったからだ。しかし親の心配をよそに、エブゲニーはいつもすぐに新しいクラスメイトに馴染んでいった。人付き合いが良くスポーツ好きで、メカに詳しいエブゲニーの周りには、たちまち友人の輪ができた。
タマーラの専門は数学の教師だが、学校はどこにでもあるので、就職口を見つけるのに苦労したことはない。
ここ4年間はデミヤネンコ一家はウラジオストクに住んでいる。彼らはここで小さな2DKを支給された。ユーリーはここが最後の任地であれば良いと思っているので、タマーラは家の大改造を引き受けた。夫はいつも軍務に就いているので、すべての修理を彼女は息子とやり遂げた。床の張り替えに職人を呼んだ以外は、全て自分たちの手作りだ。
デミヤネンコ一家の家計は、ユーリーの月給4500ルーブル（約1万8000円）とタマーラの月給1100ルーブル（約4400円）で成り立っている。住宅管理費と公共サービス費は毎月約200ルーブル、毎月の食費は2500〜3000ルーブルである。残ったお金は必要に応じて使う。エブゲニーは荷物運びのアルバイトをしている。アルバイト代（月1000〜1200ルーブル）は小遣いや必要なものの購入に使っている。（2000年01月）
