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ロシア一般家庭の紹介

沿海地方ウラジオストクのボリセンコさん一家紹介

夫/オレグ(32歳)ギタリスト
妻/ソフィヤ(24歳)ウェイトレス

現在、ボリセンコさん夫妻は放浪生活を送っている。つまり彼らには私有の住居がなく、お金があるときには住居を賃借し、ないときには数週間ずつ友人達の家を転々として居候させてもらう。家計は、レストランでオーケストラのギタリストをして稼ぐオレグの月給100万ルーブル(約2万円)および夜勤のときのチップが40万〜50万ルーブル、ソフィヤがバーのウェイトレスで得る月給75万ルーブル(約1万5000円)および時々もらうチップで賄っている。彼らは気軽に衣服やCD、ウォッカや酒のつまみを買う。実際には毎晩仕事が終わると客として出かけたり、あるいは一時的な住居があるときは客を招待してもてなしたりする。その客というのがよく知らないミュージシャンの取り巻きや、他人の金で陽気に酒を飲むのが好きな見知らぬ人々であることもしばしばである。

時には、より“真面目な”出費もある。オレグは半年前トヨタ「クラウン」を4000ドルで購入した。現在、ガソリンと予備修理のために定額の支払いをしている。二人は近々、子供をつくる予定はない。今の生活で彼らが子供を育て上げることは不可能だからだ。子供は自由を束縛する、とオレグは考えている。一方ソフィヤは、5年後くらいには子供を持ちたいと思っている。とりあえず現在の状況に彼らは満足しており、何かを変えるつもりはない。だからこそ、彼らはロシア大統領選でエリツィンに投票するつもりである。(1996年06月)

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