夫/ロマン(23歳)船のモーター係(現在休暇中)
妻/ユーリヤ(24歳)洋服店のパタンナー
夫の妹/オリガ(21歳)外科病院の看護師
一家は祖母がロマンとオリガに残した2DKに住んでいる。毎月9万8000ルーブルを公共料金として支払っている。一家の家計は、ユーリヤの月給95万ルーブル(約2万1000円)とオリガの給与62万ルーブル(約1万3700円)で賄っている。ロマンは注文を受けて金属製のドアを造って稼いでいる。ドア1つの価格は100万ルーブル(約2万2000円)で、たくさん注文が来るときには1週間に300万ルーブルもの売上がある。
3ヶ月前に一家は食料品店を開いた。銀行で融資を得ることが出来なかったので、親類や友人から借金をした。初めの2ヶ月は商売は順調にいき、売上は1日に90万〜120万ルーブルにのぼった。しかし、一家は次第に仕入れのために借金を増やし、所持金を全て注ぎ込んだ。3ヶ月目に高額の見返りを求めるマフィアが彼らを脅すようになった。一家はこれほど高額のカネを工面することが出来ず、店を閉めるほかなかった。借金を返済するために、ロマンはトヨタのカリブを3500ドルで売った。彼は今後の生活費を稼ぐために、航海に出る予定だ。(1996年04月)