米カジュアル衣料品製造小売(SPA)「アバクロンビー&フィッチ」(アバクロ)が、フランチャイズ形式でロシアに再進出する。11月11日付でベドモスチ紙が伝えた。
アバクロのジェフリス社長によると、ロシアにはフランチャイズ形式で進出し、リスクを抑えるという。将来的に10店舗を展開するほか、ネットショップの開設も予定している。
アバクロは現在フランチャイジーを選定しており、フランチャイジーとなる企業はブランドを自社で展開するか、フランチャイズ権をさらに他社に譲渡することになる。
(中略)
アバクロは2010年にモスクワのショッピングセンター「エブロペイスキー」への出店を予定していたが、2011年に市内の他のショッピングセンター内に直営店をオープンしただけで、わずか1年で撤退したという経緯がある。出店先のショッピングセンターが開業したばかりで常連客がなく、商品のデリバリーにも問題があったことが原因と見られる。専門家は、「オープン当初はごくスタンダードな商品のみが陳列棚に並び、追加商品が入荷したときには、アバクロのファンの関心は既に失せていた」と指摘する。
アバクロの売上は縮小しており、今年第3四半期の売上は前年同期比12%減の約10億j。うち、米国では既存店ベースで14%減、国外も同15%減だった。これは若年層の購買意欲が低下したためだという。専門家は「ロシアでは、アバクロの価格帯はミドルクラスかミドルクラスのやや上といったところだ。欧州での戦略をロシアでも採用するのであれば、立地はモスクワかサンクトペテルブルクの中心部の路面店に限定されるだろう」と分析する。(11/11)
(週刊「ボストーク通信1020号より)