トヨタがロシアの製造会社および販売会社、物流会社を統合し、主な納税地をサンクトペテルブルクに集約させる。11月6日付でコメルサント紙が伝えた。
1990年代から現在に至るまで、ロシアに参入した外国の自動車メーカーでは、まずモスクワで販売会社を登録し、その後各地に工場進出するのが通例で、サンクトペテルブルクに工場を開設した大手メーカー(トヨタ、日産、GM、現代)はそのようにして製造会社と販売会社を分割していた。例えば日産は、2011年に税制優遇措置を受けているサンクトペテルブルクの製造会社に販売会社を統合した結果、約900万jの節税に成功したと見られている。サンクトペテルブルク市は以前から自動車各社に登記の一本化を要請しており、この度トヨタが日産に続いてこれに応じた形になる。同市の自動車メーカーに対する優遇期間は既に終了したが、統合により業務の効率化や(赤字部門がある場合は)課税標準額の低減が可能になるなどのメリットがある。
トヨタは製造会社「トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ロシア」(TMMR;サンクトペテルブルク)と物流会社「トヨタ・ロジスティクス・サービス」(モスクワ市)を販売会社「トヨタ・モーター」(モスクワ州)に統合する。登記地はモスクワ州になるが、納税額が多くなるのは固定資産の残存価額と人件費が多い地域なので、トヨタの場合サンクトペテルブルクが主な納税地となる。TMMRの業績は、2011年が純損失2090万ルーブルだったのに対し、2012年は純利益1590万ルーブルだった。トヨタの代表者によれば、統合によりトヨタは今後年間10億ルーブル以上をサンクトペテルブルクに納税する可能性がある(11月8日付ベドモスチ紙)。(後略)(11/8)
(週刊「ボストーク通信1019号より)