7月1日、多くの屋外広告が5年間の契約期限満了を迎えた。モスクワをはじめとする大都市では、順次、競争入札を実施して広告スペースの新たな利用者(広告代理店)を選定していく。7月2日付でコメルサント紙が伝えた。
ロシアでは2008年7月1日に発効した広告法により、自治体が広告スペースを利用者に貸与する期間は5年に限られ、期間が過ぎるとその都度競争入札を実施して新たな利用者を選定することが義務付けられた。広告代理店らはこれに合わせて2008年7月1日までに契約を更新したため、多くの広告スペースは2013年7月1日が期限になった。ロシアの屋外広告市場の48%(金額ベース)を占めるとされるモスクワでは、7月1日時点で95%以上の広告スペースの期限が切れたとされる。他にも、サンクトペテルブルクやクラスノダルなどで大量の期限切れが発生した。
ハバロフスク(広告スペース数約7000、市場規模は全国の0.8%)のように昨年から新たな利用者選定の競争入札を実施している自治体もあるが、モスクワでは8月5日に開催される入札会(出品スペース数784万)が最初となる。ちなみに、今年4月に広告法の改正法案が承認されており、各自治体が利用期限を5〜10年の間で自由に設定することが可能になっている。
また、7月1日にはモスクワ市内で看板設置に関する試験事業が始まった。従来の法令では、建物に入居する店などは壁面に看板を設置する際に、その都度市当局から許可を得なければならない。今回の試験事業では、市内の10地区で看板設置の許可取得が不要になる代わりに、新たに定められた規定を自発的に守ることが義務付けられる。(中略)
モスクワ市では2011年の市長交代以降、景観を損なっていた屋外広告や横断幕広告の取締りを進めており、今度は看板の番になったと言える。(7/3)
(週刊「ボストーク通信1002号より)