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ロシアで国産車からも廃車処理料徴収へ:政府が方針転換、国産メーカーは負担増

 2月21日、ベロウソフ経済発展相が、昨年9月から導入された廃車処理料(リサイクル税)の適用範囲を、国内で生産された自動車に拡大することを発表した。政府では何らかの補償を用意するとしているが、国内生産を行う海外メーカーらは反発している。2月22日付でコメルサント紙が伝えた。
  ロシアでは昨年8月22日のWTO加盟により自動車の輸入関税が引き下げられたが、その効果を打ち消すような形で9月1日以降、輸入車から通関に際して廃車処理料が徴収されることになった(本誌960号に関連記事)。政府の公式説明ではこれは環境保護のための施策とされたが、実際は国内産業の保護策であることは明白と見られ、輸入車の不当な差別に当たるとして欧州などから非公式な批判を受けていた。これを受けてロシア政府は、条件の平等化を検討し始め、業者が廃車処理の義務を負うならば、輸入車に対しても処理料徴収は免除されることになるのではないかと期待されていた(本誌979号に関連記事)。しかしベロウソフ氏が発表した決定は、反対に国産車にも処理料の納付義務を課して平等化するというもので、現地生産を行うメーカーにとっては、輸入車との差別化という保護策があだとなって跳ね返ってきたとも言える。
  ベロウソフ氏によれば、今回の発表に関し政府は原則的な決定は下したものの、現行法や政府決定の修正に半年ほど時間がかかるとのこと。(後略) (2/22)

(週刊「ボストーク通信984号より)




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