ロシア国営「ロステフノロギー」とロシア石油大手の「シブル」、イタリアのタイヤメーカー「ピレリ」が11月26日、ロシア国内におけるタイヤ事業の相互協力に関する覚書に調印した。11月26日付で3社共同のプレスリリースが伝えた。
プレスリリースによると、合弁企業が2社設立され、1社(JV-1−名称は未定)は主に乗用車用のハイグレードタイヤ、もう1社(JV-2)は貨物車および農機用のタイヤの生産を柱とする。最終的には、原料(ゴムと金属製のコードなど)の生産からタイヤの開発と生産に至る全工程をロシア国内で行なうことを目指している。
JV-1はシブルの100%子会社「シブル−ロシアタイヤ(シブール・ルースキエ・シヌィ)」の既存の生産設備等を利用し、2011年末までに300万本を生産する計画。JV-2はサマラ州トリヤッチ市の特別経済区に金属製のタイヤコードの生産工場を建設するほか、超巨大タイヤ工場を建設する計画もある。11月29日付のRBC Dailyは、ピレリは2015年までにロシアでの農機用タイヤ工場建設に7000万ユーロを投資する計画だと伝えている。
ピレリは、ロシアを重要市場と捉え、ロステフノロギーと2008年に協力協定を結んでいたが、具体的な事業の実現には至っていなかった。そこで、子会社を通じてタイヤ事業の実績があり、またタイヤの原料となる合成ゴムを生産しているシブルと組むことで、ロシアにおける生産事業を実現する方針のようだ。(11/29)
(週刊ダーリニ・ボストーク通信875号より抜粋)