ロシアでは全国的に記録的な猛暑のおかげでアイスクリームや飲料のメーカー、家電量販店等が潤っている一方で、冷房設備のないレストランや食料品店等は商品の品質を守るために設備強化に手痛い出費を強いられている。7月29日付でBFM.RUが伝えた。
食肉メーカー・カムポモスのイワンチェンコ代表取締役は「モスクワやサンクトペテルブルクのような大都市では、メーカーから最終消費者までの物流システムが30℃以上の気温にあまり適応していない。当社では新鮮な状態で店舗に納品するための万全の施策を講じているが、店舗自体が温度管理を出来ていない。当社にとっては返品が増え、コストがかさむ状況となっている」と述べる。
また、レストラン「ギャラリー」のメリニコワ代表取締役は「多くの食料品で輸送時の品質保持に一層の手間がかかるようになった。痛まないように保冷剤や氷を必ず使うようにしており、氷の発注量は通常の3倍になっている。仕入先の製氷業者はレストランからの発注でいっぱいになっており、価格を3倍に引き上げたが1週間先まで注文が入っている」と述べている。
モスクワでは森林・泥炭火災でスモッグが発生しているため、扇風機とエアコンに続いて空気清浄機の売れ行きが好調だ。家電チェーンM.ビデオでは7月末からそれまでの2倍に、エルドラドでは3倍に伸びているという(8月5日付RBC Daily)。また、薬局ではマスクが売れている。インターネット・ポータルサイトMail.ruが運営する「ズドロビエ@Mail.Ru」プロジェクトがモスクワの薬局約50店を対象に実施した調査によれば、最近数日間でマスクの需要は1000%以上の伸び、8月6日16時には調査対象の80%以上の薬局でマスクは品切れとなった(8月6日付ロシイスカヤ・ガゼータ)。(8/6)
(週刊ダーリニ・ボストーク通信859号より抜粋)