ロシアでは例年にない干ばつのため多くの主要農業地域で非常事態宣言が出され、穀物収穫予測が下方修正されている。沿海地方でも今年の異常気象が影響し、穀物や野菜の生産量の減少、農産物やパンの価格高騰が懸念されている。各紙の報道をもとにまとめた。
7月13日の国家評議会幹部会におけるスクルィンニク農相の報告によれば、この時点でロシアではウラル連邦管区、沿ボルガ連邦管区を中心に干ばつの影響で16地域に非常事態宣言が出されている(7月13日付ノーボス地通信)。ロシア連邦農業省は、収穫・輸出量ともに予測の下方修正を余儀なくされている。
非常事態宣言が出された地域と比べて、沿海地方では今のところ干ばつの被害は大きくない。しかし同地方では春に積雪が長引いたこと、そして4〜5月に雨が多かったことで春の作付け作業が遅れた。作付け作業は7月になってようやく完了している。春の早播き穀物の作付け面積は8万haとなる計画であったが、実際には4万3000haにとどまっている(7月12日付Deita.ru)。
沿海地方農業アカデミーのビクトル・ファリコ農業・植物栽培研究室長によれば、豊作時には2.5〜3d/haであった単収も、今年は1d/haまで下がることが予測される。現在のところ沿海地方で消費される農産物の20〜30%が同地方の農業生産者によってまかなわれている。他地域からの農産物を買い付ける場合、輸送費も上乗せされるため、食料品の最終価格の高騰につながる。(7/13)
(週刊ダーリニ・ボストーク通信856号より抜粋)