7月14日、ロシア大手乗用車メーカーAvtoVAZ(アフトワズ)の工場でコマツ製のプレスラインが稼動した。このラインの稼動により、同工場での部品製造の効率は飛躍的に向上し、部品の製造量がこれまでの設備の3倍に増加することが可能となる。7月14日付で同社プレスセンターが伝えた。
このプレスラインでは、同社の主要モデルLADA PrioraとLADA Kalina及び他の新モデル用のボディパーツが製造される。1日あたり1万1300個の部品製造が可能で、プレス型の取替えも以前の設備では4〜5時間かかっていたところが、10〜12分に短縮できる。 現在これほど生産効率が高い設備を持つロシアのメーカーはないという。
同社のプレス製造部門の責任者エブゲニー・アントシナ氏によれば、同プレスライン設置プロジェクトの全体の費用は21億ルーブルで、そのうち13億ルーブルがプレスライン設備自体の価格にあたる。この新ライン導入は、AvtoVAZの設備近代化プログラムの枠内で実施され、日本の専門家の指導の下に設置が行なわれた。
廃車・処理新車買替プログラムや自動車ローン補助プログラムの効果もありAvtoVAZの今年上半期の販売実績は前年同期比22.7%増の22万800台であった。しかし部品不足のために市場の回復に生産が追いついていない問題も指摘されている。設備の更新による製造効率向上や、部品調達システムの最適化が急務となっている。(7/14)
(週刊ダーリニ・ボストーク通信856号より抜粋)