極東税関局のデータによれば、2010年1月1日〜5月23日に極東の税関を通じて輸入された乗用車は2万4000台で、これは前年同期の1.5倍にあたる。また税関統計に反映されないグレーな中古車輸入が再び増えているという。6月1日付でゾロトイ・ログが伝えた。
2009年1月に中古車輸入関税が大幅に引き上げられた際に中古車ビジネスを離れた業者もウラジオストクの中古車市場に復帰している。5月末の時点でウラジオストクの中古車市場も自動車運送車両や自走で運ばれる乗用車で混雑している。JSN現地記者によれば、港に持ち込まれ市場に運ばれる中古車の増加は一般のウラジオストク住民の目にも明らかである。
市場関係者は、今年9月に予定されている技術規定導入を前にした駆け込み需要であると見ている。この新技術規定は、右ハンドルの自動車の輸入を禁止する可能性があるとして懸念されてきたもの。
かつては車体を外して部品として通関し、後に組み立てる(「コンストルクトルィ」)形で輸入経費を下げる方法が横行していた。しかし、この方法も車体に対する関税が引き上げられたことで採算が合わなくなっている。今度は車体を切断して持ち込み、後に継ぎ合わせることで、車体に対する関税を回避する「ラスピルィ(スライスカット)」という輸入形態が横行している。このあからさまな関税回避は、税関職員への賄賂を支払うことで可能になっているケースも多い。また「ラスピルィ」で輸入された自動車は走行中に故障する可能性が高いと指摘されている。(6/1)
(週刊ダーリニ・ボストーク通信850号より抜粋)