連邦税関庁がサンクトペテルブルクにあるいくつかの通関拠点を閉鎖し、同市郊外に新たな通関拠点を開設する決定を下したことに対しレニングラード州に工場を持つ外国自動車メーカー3社が同庁に対し抗議文を送った。5月12日付でコメルサント紙が伝えた。
コメルサント紙は、General Motors、トヨタ、日産のペテルブルク工場のトップが共同で連邦税関庁のベリヤニノフ長官に宛てた5月4日付の抗議文を入手したと書いている。抗議文には「サンクトペテルブルクのいくつかの主要通関拠点が閉鎖されため、工場はロジスティクスのスキームを至急変更することを余儀なくされ、自動車部品の輸送に余分なコストがかかっている。税関庁がサンクトペテルブルク郊外のシュシャルィ町に開設することを決定した新しい通関拠点では、道路インフラが整備されていないため、毎月2000以上入って来るコンテナを対処し切れない」と書かれているという。
一方、本誌記者が日本のトヨタ自動車と日産自動車に確認したところ、両社とも通関拠点がひとつに絞られる問題の存在を把握しているが、今のところそれによる部品の納入の遅れなどの問題は生じていないとコメントしている。日産のペテルブルク工場が使っていたブイボルグの通関拠点が検査を理由に2月末に閉鎖されたため、同社は現在、別の通関拠点を使っているという。なお、現地工場が税関庁に抗議文を送ったという事実については両社とも確認がとれなかった。 (5/12)
(週刊ダーリニ・ボストーク通信847号より抜粋)