コカコーラは、最大のライバル−ペプシコのロシア企業買収に対抗し、OAO「レベジャンスキー」の株式75.53%を13億5700万ドルで買収し、“ビム・ビル・ダン”ブランドのジュース*事業を傘下に収めることを検討している。
今回の買収により、ペプシコのジュース市場におけるシェアは30.6%に上昇し、トップに躍り出る。コカコーラのジュース・ブランド“ムルトン”のシェアは21.1%。ロシアの有力紙「コメルサント」は、コカコーラはトップの座を奪還するために、ビム・ビル・ダンの買収交渉に入った、と伝えている。
コメルサント紙がディストリビュータに取材したところでは、コカコーラは、ビム・ビル・ダン・ブランドのジュースの各月の売り上げをモニタリングするよう指示したという。また、ビム・ビル・ダンの株主の関係筋は、買収交渉がこの2ヶ月間のうちに活発に行われたと述べている。
コカコーラが関心を持っているのは、ビム・ビル・ダンの3つの工場のうち、モスクワ近郊のラメンスクにあるJ7の工場だけ。というのも、J7ブランドのジュースは、ムルトンのジュースとまったく競合する商品がないためである。
とはいえ、ビム・ビル・ダンのヤコバシビリ社長は、「コカコーラの経営陣が自ら、このテーマについてアプローチしてきたことはない」と話す。コカコーラはノーコメントである。専門家は、仮にコカコーラの買収が成立すると、ロシアのジュース市場は、2つのトランスナショナル企業の手によって寡占状態にされてしまうと指摘している。
*訳注:この場合、ジュースにはコーラなどの炭酸飲料は含まれない。